太陽【入江悠】

【ネタバレあり】

【あらすじ】

サイタマノラッパーで脚光を浴びた入江悠監督の最新作。

ウイルスが蔓延し、人類は、暗闇でしか暮らせない進化した新人と、太陽のもとで暮らす貧しい旧人の2つに分断された。

この描写が、現代社会のあらゆる分離を象徴的に表しているように思えた。貧富の格差。共産主義と資本主義などの思想の違い。ある宗教を信じる者、信じない者。

 

【印象に残ったシーン】

旧人として扱われていた少女が、旧人のまま生きる道を模索するが、最終的には新人として生きることになり、その前後の彼女の豹変ぶりに、心揺さぶられるものがあった。また、それを見た父親の狼狽する姿と、新人になっても娘を思う気持ちが見ていて辛かった。

親しかった人が、自分の理解の範疇を超えるところに行ってしまったときに、どう行動したら良いのだろうか。あの父親のように、娘の幸せをただ願うしかないのか。

 

【印象に残った人物】

鉄彦

 

【感想】

いままで、SF映画は避けてきたが、この映画は人間関係や葛藤を丁寧に描写していて、荒唐無稽さを感じることなく見ることができた。ただ、自動運転が可能になっている近未来なのに、一部の場面で、もう少しどうにかなったと思ってしまうことがあった。

 

通し番号:1

タイトル:太陽

監督:入江悠

場所:池袋

日付:2016/04/30

視聴理由:サイタマノラッパーの入江監督